やる気がない人・行動力がない・継続できないのは意思が弱いからではない。自分の中にある「起爆剤」を呼び起こす最強のモチベーションコントロール。

やる気がない(続かない)、行動力がない人なんて一人もいない。

あなたはこんな経験をしたことはないだろうか。

英語の勉強、資格の勉強、ダイエットや筋トレなど。意気込んで始めたものの、気がつくともうやめてしまっている。いわゆる「三日坊主」は、多くの人が幾度か経験があると思う。

全く自慢にならないが、私も何度も何度も「三日坊主」をやってしまっている。20代の頃、格闘技を観るのが好きで、観るたびに筋トレを始めるのだが1週間しないうちにもうやめてしまったりなんてことは多々ある。英語の参考書を買っても、数ページやったら、いつの間にか書庫の中に、そして「こっちのテキストの方が良さそうだな」なんて言ってまた新しいのを買うなんてことも。

こんなことを繰り返していたから、筋トレをしようが、英語の勉強をしようが、何をやっても成果が出ないのは当たり前で、「やっぱり俺は何やってもダメだ」と自分のことを嫌いになっていたりもした。

こんな自分じゃダメだと何度も思ったが、なかなか変われない。その変われない自分を見て、本当に意思の弱いやつだと思っていた。できる人は意思の力が強いのだと。自分は意思の力が弱いからいつも三日坊主なのだと。

しかしそれは大きな間違いだった。

意思の力なんて全く必要ない、むしろ意思の力なんて意思表示程度にしか役に立たない。

この間違いに気づいた後、私のやる気、モチベーション、行動力は飛躍的に上がった。
すぐに楽をしたがる、超面倒くさがり屋の私が実感しているのだから、間違いない。

意思の力なんて全くいらなかった。怠け者のためのいくらでも行動できる自分のつくり方。

私がそうであったように、なかなか継続できないという人の多くは、自分のことを「意思が弱い」からできないと思っている。継続できる人は「意思の力」が強いからできるのだと。

しかし、私たちは英会話、ダイエット、筋トレ、資格の勉強や読書など、やったほうがいいとわかっているのに、なかなか一歩踏み出せなかったり、継続できなかったりするのは、意思の力が足りないのではなく、あなたの中にそれをやりきるための明確な動機がないことだ。この明確な動機の有無、もしくはその強弱によって内側の状態「やる気度」が大きく変化している。明確な動機さえあれば、どんな人でも「内側のエネルギー」は高まり、やる気が出て、楽に行動することができる。

人の行動を突き動かす「動機」には2つの種類がある。

人が行動する時には、どんなことでも「動機」が必ず存在する。「動機」がなければ人は行動しない。学校や会社に行くのも、宿題や仕事をするのも、誰かと食事をするのも、本を読むのも、資格を取るのも、人に優しくするのも、どんな時にも動機がある。そして面白いのは「何かをしない」ことにも動機がある。

ダイエットが続かずに、いつもダイエット三日坊主を続けている人は少なくない。本屋に行けば、”1日5分簡単ダイエット”のような本がずらりと並んでいるのは、そういう人が多いからだ。
ダイエットは決して難しくない、専門家ではないので理論として正しいかはわからないが、単純に考えれば、摂取カロリーが消費カロリーより多ければ太る。つまり、摂取するカロリーを抑えるか、消費するカロリーを増やすかして調整すれば、自然と痩せていく。

本当に痩せたいのであれば、食事制限をしたり、日常的に運動をして、摂取と消費のバランスを調整すればいい。そんなシンプルなことは誰でもわかる。そのわかっていることをやらないのには理由がある「だるいから」「疲れるのが嫌だから」「明日に響くから」「我慢するのが嫌だから」・・・。

ここで注目して欲しいのは、これらも立派な「動機」とういうことです。
私たち人間を動かす(or動かさない)動機には2種類あります。

それは、快楽を得ようとする動機と、痛みを避けようとする動機です疲れるのを避ける、好きなお菓子を我慢するのを避ける、だるくなるのを避ける動機が強いから、ダイエットが続かないだけです。あなたの意思の力は全く関係ないのです。

何をすれば(やめれば)痩せるかなんてのは、誰でもわかっているのです。その、わかっていることができれば、ダイエットなんて繰り返す必要はありません。それにも関わらず、うまくいかないのは、あなたの動機が痩せることに対してよりも、今の痛みを避けること・今の快楽を求めることに対して働いているからです。

動機にある時間軸も大きく影響する。

動機には2種類あると言いました、快楽を得る動機と、痛みを避ける動機です。小学校や中学校の頃の夏休みの宿題を思い出してみてください、あなたは、夏休みの最初に片付けてしまうタイプでしたか? それとも、終盤になって慌てるタイプでしたか?

夏休みの最初にやる人は「宿題をさっさと済ませて、余計なことは考えず、楽しい夏休みを満喫しよう。」という「未来の快楽」の動機が効いている人です。一方で、夏休みの最後の3日で焦ってやるタイプの人は、夏休みは長いからとついつい遊んでしまう、それは「今の快楽」の動機が効いている可能性が高い。後者の人でも、夏休みの宿題を駆け込みでもなんとかやるのは、夏休みが終盤になってくると、やっていない宿題の山をみて、先生に怒られる未来を避けるために宿題をやり始めます、つまり「未来の痛みを避ける」動機が効いていると考えられます。

このように、2つの動機にはもう一つの軸として時間軸が存在します。
つまり、「今の快楽を求める動機」と「未来の快楽を求める動機」そして、「今の痛みを避ける動機」と「未来の痛みを避ける動機」が存在するということです。

そしてそれらには、自分に対しての効力に強弱が以下のようにあります。

【今の痛みを避ける動機】>【今の快楽を求める動機】>【未来の痛みを避ける動機】>【未来の快楽を求める動機】

「今」が「未来」より強くなるのは、まさに今という瞬間に体感が伴っているからです。筋トレが続かない人は今という瞬間に、きついことをやりたくない(今の痛みを避ける)のと今TVをみてダラダラしたい(今の快楽を求める)の2つが効いているので、どうしても続かないのです。

「未来」の動機があまり力を持たないのは、体感を伴わないからです。体感を伴わない上に、未来のことは不確実だからということもあります。タバコが健康を害するのは誰もが知っています。しかしなかなかやめられないのは、今それを体感しているわけではないからです。禁煙できない人が、何かしら病気になったり、肺がんの疑いが検査で出たとしたら、タバコを即座にやめるでしょう。それは未来の痛みの確率が高くなり、それに対する不安が「今」にやってくるからです。なのでその今の不安(痛み)を避けるという動機が働き始めます。

もし、あなたが、あなたの人生にとって大切だとわかっていることを先延ばしにしているなら。

このように人は意思の強さは関係なく、動機によって行動が決まります。マイナスの方向にかかっている動機が強いのに、無理やりプラスの方に持っていってもなかなか続きません、実行したとしても苦痛が伴うでしょう。動機がプラスの方向に向いていないのにも関わらず、意思の力で無理やりやろうとすることを「努力」だとか「頑張る」だとかで表現していると私は思っています。

逆に言えば、プラスの方向に動機が作用している状態であれば、同じ作業をするにしても、臨む気持ちも行動しているときも楽に進めることができます。そういう状態でやっていることは本人は「努力」だとか「頑張る」といった意識よりも「楽しむ」という感覚の方が強いので、いくらでも続けていけるのです。

私は面倒臭がりの怠け者なので、努力だとか頑張るということが好きではありません。なので、私は頑張らないでいいように、まず自分の動機形成に時間をかけます。特に未来の快楽と未来の痛みを出来るだけ「体感」するようにしています。

例えば、ダイエットだとしましょう、食事を制限することで、今の快楽を捨てることになるかもしれません。しかし、今無闇に好きなものを食べた時に、どんなマイナスの未来が待っているのか、どんな素晴らしい未来が待っているのかということをとことん明確にします。

今食事制限や運動をしないことでダイエットに失敗したマイナスの未来は「不健康な未来」かもしれません、不健康であるがゆえに、好きなものも食べられなくなり、仕事のパフォーマンスも落ち、太って好きな服も着れなくなるかもしれません。それによって、人から可哀想な人と思われるかもしれません。そのようになってしまった10年後の自分はどんな気持ちで毎日を過ごしているのかを想像して、とことんその気持ちに浸ります。

一方で、今食事制限や運動をすることで考えられるプラスの未来は、「健康でイキイキしている未来」や「モテモテの未来」かもしれません。好きな服を着て、年齢よりもはるかに若々しく見えるかもしれません、自信がつき、仕事でも大きな成果をあげているかもしれません、そんな10年後の未来の自分をありありと想像し、10年後の自分の感情にとことん浸ってみる。

このマイナスの未来とプラスの未来をしっかりと「今」味わい尽くすと、気がつくと、「今」の動機よりも「未来」の動機の方が強くなっていきます。未来の痛みを避ける動機と未来の快楽を得る動機がしっかりと機能し始めると、自然と「やらない」という選択肢がなくなっていきます。

もしあなたが、何か大事なことを先延ばしにしたり、三日坊主を繰り返しているようであれば、自分がどんな動機が機能しているのかを観察してみると良いかもしれません。

私のコーチングでは、ビジョンを描いてもらい、それを「先に体験させる」という強烈なワークを実施することがあります。もちろんイメージの中で体験してもらうのですが、そのワークが終わると、自然と行動がしやすくなります。意思の力なんて必要ありません。楽に一歩踏み出し、楽に継続できるようになります。

是非みなさんも自分の行動の源泉にある動機を観察して、自分でモチベーションコントロールをしてみてください。そして未来の快楽の動機にどんどん比重を置いて今行動できる自分を作っていきましょう。

未来を作れるのは常に今という瞬間だけです。この瞬間のマネジメントこそが、あなたの理想的な人生を作り出すのです。

 

古澤慎之介
古澤慎之介プロデューサー・編集長

ULL編集長、マーケティングのノウハウと、エネルギーマネジメントを武器に、組織課題の発見と解決プランの策定、さらには実行する際のチームビルドと人材育成までを支援。
“日本にもっと「イイ顔」している人を増やしたい“という想いのもと、広告会社、エンタテインメント会社での経験を経てマーケティングディレクターとして独立。マーケティング課題の発見と、ソリューションの提案だけでなく、実行できるようメンバーの育成、チームビルディングまで行う。自身の実践的な体験からエネルギーマネジメントという独自の人材育成の理論とコーチングの手法で、人のポテンシャルを最大化し組織の本当の力を引き出す。

一般社団法人グローバルリーダーシップコーチング協会(GLC)の立ち上げで出会った藤井義彦氏と世界で活躍する講演家のジムバグノーラ博士をメンターとして師事、2018年、ジムバグノーラ博士より「PhB・マスター・プラクティショナー」として認定される。


【活動領域】
●マーケティング戦略 ●組織変革・チームビルディング ●パーソナルブランディング ●コーチング ●PhBマスタープラクティショナー ●クレイセラピー(国際クレイセラピー協会認定クレイセラピスト) ●エネルギーマネジメント