エネルギーマネジメント的「断捨離」のススメ。捨てないあなたは損をしている?

 断捨離については、様々な人が書籍や記事などを通じて推奨しているため、言葉としては浸透してきたが、昨今「不要なものを捨てること」というニュアンスで使っている人も少なくないので、ここで簡単におさらいをしておこう。

 「断捨離」はヨーガの行法にある「断行(だんぎょう)」、「捨行(しゃぎょう)」、「離行(りぎょう)」を応用したものと言われ「必要のないものが入ってくるのを断ち、不要なものを捨てて、執着することから離れる」という意味だ。

 断行というのは「入ってくるものを断つ」という意味がある。捨てるということだけにフォーカスされがちだが、この断つというものがとても大事だったりする。捨行は「不要なものを捨てる」という意味で、離行とは「物事への執着を手放していく」という意味がある。

 これを踏まえて「エネルギーマネジメント的断捨離」についてご紹介していこう。

 自分自身のエネルギーをマネジメントするというコンセプトからいうと、エネルギーは流動的なものなので、部屋の空気も換気をしないと空気が淀んでくるのと同じで、エネルギーも滞留させずに流すということが大切だ。

 私たちの中には常に何らかのエネルギーが存在し、それは時に不満や不安であったり、希望や情熱であったり様々。この自分の内側のエネルギーを良い状態にしていくことが全ての活動で最良の結果を得るための「あり方」であるというのが、エネルギーマネジメントの本質となる。

 その上で、この断捨離というのは、非常に良い習慣ではあるのだが、お部屋を綺麗にしようという”お片づけ”の話とはまた訳が違う。

「エネルギーが切れたら捨て時」が基本。

 「勿体無いから」「いつか使うかも」という理由で、不要なものを溜め込んでいる人が結構いる。こういう人の部屋は、掃除をしていても物が多く煩雑である。

 エネルギーマネジメントの発想から物を捨てる時に持つ基準は至ってシンプルだ。自分がその物に対して気分が「上がるか」「上がらないか」で分類する。

 新しく新調したスーツやワンピース、着た時に、何だか気分が高揚する、シャキッとするという感覚は誰もがわかると思うが、それは自分の中のエネルギー状態が良くなっている証拠だ。逆に言えば、そういう気分にならなくなったものは、もう役目を終えていると考えて、捨てるリストに入れてしまう。

 ええー!勿体無い!なんて声が聞こえてきそうだが、そういうことを言っている人に限って、案外、物を大切にしていなかったりする。

 その理由としては、捨てられない人は、入り口、つまり購入する段階で、「安いから買おう」と買ってしまい、最初からエネルギーマネジメントを意識せずに買っている。だから、自分の気持ちが上がらない物でも買ってしまうため、適当に扱ったりしてしまうのだ。

 物をエネルギーを与えてくれるものと捉えている人は、吟味して購入し、物からも長くエネルギーを与えてもらうために、大切に取扱う。その辺に投げ捨てて置くなんてことはしない。物も人と一緒で、粗雑に扱われたら、負のエネルギーを蓄積すると考えるとわかりやすいかもしれない。どんなに良いものでも粗雑に扱われ”負のエネルギーに満ちた物”を身につけても、気分は上がらない。

 大切に丁寧に扱うからこそ、その物も長きに渡り良いエネルギーを与えてくれる。勿体無いとか言っている人に限って、物を物としてしか見ていないから、雑に扱い、あっという間にものはエネルギー切れを起こしてしまう。そっちの方が勿体無い。

入口、中、出口を丁寧に取り扱う。

 まずは入口。何かを購入するときは、気分が上がるか上がらないかをよく考えて買う。買った物は、物としてではなく、エネルギーとして捉え、丁寧に大切に取り扱い、仕舞う場所も綺麗にしておく。私たちは物を買っているのではなく、エネルギーを買っているというくらいの発想が丁度いい。その観点から見たときに、不要なものは購入しない。

 余計な物が入ってくるプロセスを断ち切ることは大切だ。例えば、欲しいものがないのに、買い物に出かけるだとか、スーパーに行くとつい余計なものまで買ってしまう。など、余計な物が入ってくる自分の行動習慣を見直してみるといいかもしれない。

 物をエネルギーとして大切にして捉え、丁寧に取り扱い、その住まい(クローゼットやタンスなど)も綺麗にしておくことで、良質なエネルギーが保たれ、結果として長く、自分にも良い影響を与えてくれるのだ。

 お金持ちの財布の使い方などで、レシートを入れない、ポイントカードでパンパンにしない、お札は向きを揃えるなどが紹介されているのを見るが、これはゲン担ぎではなく、エネルギーとしてお金を大切に取り扱っているということに他ならない。

 そして出口、つまり手放す時には目一杯の感謝の気持ちを持って手放すことだ。このように、入口、中、出口をしっかりと丁寧に行うことで、良質なエネルギーが自分の周りを循環し始める。

 長くなるので、ここではあまり触れないが「お金」もエネルギーだ。だから、入口、中、出口にはとことんこだわり、お金の入り方、お金の取り扱い、お金の出し方を見直すだけでも、お金の流れは大きく変わる。

手放さないと入ってこない、まずはスペースをつくってから、良い循環を生み出そう。

 今回は、入口、中、出口を丁寧に扱うことで、自分の周りに良いエネルギー循環をつくるための断捨離についてお伝えしてきました。

 エネルギーを大切に捉え始め良いエネルギーの循環を自分の周りにつくるると人生は本当に大きく変わります。そのためにまず最初にやることは、不要なモノ、コト、ヒトを手放していくことです。今のあなたは、パンパンに詰まった本棚のようなものです。新しいものが入る余地はありません。まずはエネルギー切れの不要なものを手放して「スペース」をつくり風通しの良い状態をつくることです。

 その上で、入口、中、出口のメンテナンスとして、行動習慣を見直してみることです。最初は意識的に「エネルギー」を観察することになりますが、慣れてくると、自然とエネルギーの扱い方がわかってきます。

是非、自分の周りにあるヒト、モノ、コトを見直してみることをお勧めします。

古澤慎之介
古澤慎之介プロデューサー・編集長

ULL編集長、マーケティングのノウハウと、エネルギーマネジメントを武器に、組織課題の発見と解決プランの策定、さらには実行する際のチームビルドと人材育成までを支援。
“日本にもっと「イイ顔」している人を増やしたい“という想いのもと、広告会社、エンタテインメント会社での経験を経てマーケティングディレクターとして独立。マーケティング課題の発見と、ソリューションの提案だけでなく、実行できるようメンバーの育成、チームビルディングまで行う。自身の実践的な体験からエネルギーマネジメントという独自の人材育成の理論とコーチングの手法で、人のポテンシャルを最大化し組織の本当の力を引き出す。

一般社団法人グローバルリーダーシップコーチング協会(GLC)の立ち上げで出会った藤井義彦氏と世界で活躍する講演家のジムバグノーラ博士をメンターとして師事、2018年、ジムバグノーラ博士より「PhB・マスター・プラクティショナー」として認定される。


【活動領域】
●マーケティング戦略 ●組織変革・チームビルディング ●パーソナルブランディング ●コーチング ●PhBマスタープラクティショナー ●クレイセラピー(国際クレイセラピー協会認定クレイセラピスト) ●エネルギーマネジメント