映画「グリーンブック」に見る、多様化時代の気持ち良い生き方。
様々な価値観が共存する社会、私たちは映画「グリーンブック」に何を見るのか。
私はバツイチであり、離婚経験がある。子供はつくらなかったが、相手の連れ子ちゃんの1歳半から小学校四年生までパパをやっていた。子供の成長は本当に早い。体の成長もさることながら、次から次へと色々なことができるようになっていく。とんでもないスピードで成長していく。
子供も人間、大人も人間、なぜ大人になるにつれて成長スピードが落ちるのか。そして大人になっても成長しまくる人とそうでない人の違いは何なのか?教育関連の仕事をしてるとそんなことを考えることがある。
そして行き着いたいくつかの結論。
色々な人を観察し、自分の経験も踏まえて出た結論がある。それは「初体験」の量である。どれだけたくさんの初体験をしたかということが成長の度合いに比例する。そしてもう一つ初体験の量を増やすために必要なのは「好奇心」の量だ。好奇心もある人は初体験を経験することが多くなる。
この人すごいなと思う人は総じて好奇心が強い。
子供は好奇心の塊であり、そして、やることなすこと全てが初体験だ。成長しない理由はない。
初めて入るレストラン、お店に入ってみたら料理が口に合わなかったとか、初めてやってみたがあまり面白くなかったなんてことはザラにあるし、やったことない仕事で大失敗することだってある。初体験が多いということは、必然的に「失敗」も多いということになる。
このリスクが取れるかどうかが成長の鍵なのだ。子供の例を考えてみてもそれがわかる、ハイハイをしだした頃は何でもかんでも口に入れてみる。そして積み木は不味いという経験が手に入り、今度はテレビのリモコンを舐めてみる。彼らのマインドは「気になったらとにかくやってみる」だ。だから簡単にリスクをばんばん取っていく。そしてどんどん成長していくのだ。
人は成長するにつれて初体験の機会は減ってくる。そして、体験したことがあることの中から選択をして生きるようになる。いわゆる「コンフォートゾーン」だ。このコンフォートゾーンという安全地帯は成長するにつれて広くなり、いつしかそこを出なくてもなんとかなる時がやってくる。その時期はだいたい社会人5年目くらいなんじゃないかと思っている。
まだ27歳になっていない人には必ず勧めているのですが、27歳と4ヶ月と16日目というのは生まれて10000日目なのです!桁が上がる最後の歳ですし、1.10.100.1000日は3歳までで通過します。10000日は盛大に祝ってみてはいかがですか?
— 古澤 慎之介 (@kosukez) 2010年4月26日
このツイートは、以前私がしたものだが、この10000日目あたりを境に、人はコンフォートゾーンからあまり出ずに生きることが可能になる気がしている。社会人5年目あたりになるが、もうなんとなく社会のことがわかり始めていて、意識的にチャレンジしていかない限り、初体験は避けられる。逆に5年目くらいまでは嫌でも初体験を避けては通れない。
マズローの欲求5段階説にもあるように、人の欲求として、生理的欲求の次に安全欲求と言うのがきている。このため、人は自然とコンフォートゾーンの中で過ごしてしまう傾向があるのだ。無理に出なくても生きていけるのであれば、どうしても楽に生きようとする。これが人間の本質だ。この10000日を超えたあたりからは意識的にリスクをとる、チャレンジをするとしていかないと、一気に成長が鈍化していく。
初体験が成長に寄与していることと、初体験自体は成長するにつれて減っていくということは前述した通りである。初体験にはリスクはつきものだが、リスクを恐れていたら何もできずに、結局はぬるま湯の中で生活するだけになる。このリスクを取りやすくするための簡単なテクニックをご紹介したい。
リスクをとることに耐性をつける簡単な方法「1日1クレイジー運動」
1日1クレイジーというと仰々しく聞こえるかもしれないが、難しいことは一つもない。毎日のパターンを必ず1回は意識的に崩すだけだ。
例えば、いつも会社に向かう時間を変えてみる。いつもは使わない出口から出てみる。ランチで初めてのお店に行ってみる。いつもと違う人とランチをしてみる。いつもは寄らないカフェに寄って帰ってみる、などなど、普段やらない小さなことを1日に1回必ず意識的にやるだけ。初めてのお店に行けば、口に合わなかったり、という失敗する可能性があるが、そういう小さい失敗に慣れることがこのワークの目的だ。
一見あまり意味がなさそうに見えるが、とんでもない、リスクを取っても大したことない、失敗しても大したことないし、そもそもほとんど失敗しないという経験を積み重ね、リスク耐性をつけると同時に、新しい扉を開けた先にあった出会い(初めていく店での美味しいランチや普段読まない本から得た興味深いなど)の価値に触れることで、新しい価値観との出会いの旨味を知っていくことに意味がある。
あなたの大好きな食べ物はなんだろうか、例えばそれが「カレーライス」だったとしても、そのカレーを食べた初体験があったはずだ。スナックで飲むのが好きな人もいるかもしれない、スナックにいくのも初体験があったはずだ、そう行った初体験の先にこそ自分がのめりこめるものとの出会いがあったり、成長があったりする。
1日1クレイジー運動は、「いつも通り」「パターン」を意識的に崩して新しい価値観と出会う魅力を教えてくれ、失敗してもかすり傷一つ負わないということを体に染み込ませてくれる。そして1度経験したことは2度目を行うのは簡単だ。つまり自分のコンフォートゾーンが広がるのだ。これを毎日1つやったとして1年で少なくとも365の初体験をしてみることで、あなたの成長はどんでもなく加速していくのは間違いない。
あなたは自分より能力のある人たちのコミュニティに行ったときや、自分で分不相応と思うような場所に身を置いた時に「居心地」の悪さを感じたことがあるかもしれない。初めて入るカウンターだけのお寿司屋さんや高層階にあるラウンジなどに足を踏み入れても同じような思いをしたことがあるかもしれない。そう行った居心地の悪さこそがコンフォートゾーンの外側にいるという証拠なので、そこから逃げるのではなく、そこにあるパワーを十分に吸収して帰るくらいの気持ちでいればいい。
そして不思議なことに、何度もそういったことを経験していくにつれて、いつの間にか「居心地が良くなっている」ことに気がつくだろう。それこそ、あなたのコンフォートゾーンが広がった証拠なのだ。
やったことがない仕事のオファー、行ったことない場所への誘い、やったことのないことをやる機会、などなど、多くの人はその扉の前の匂い、つまり不安や自信のなさみたいな感情を前に、踵を翻してコンフォートゾーンへと帰ってしまう。だがクレイジー運動をしていれば、その匂いこそがそのさきに「宝」がある扉だということを感覚的に理解している。
偉そうなおじさんたちが、リスクをとれ!挑戦しろ!なんてことをいくら言っても、人はそうそうリスクをとれない。だからこそクレイジー運動で免疫をつけ、蜜の味を知ることを僕はオススメしている。
私は今でこそ、そうは思われないが、いつも安全エリアでぬるま湯に浸かっているタイプだった。しかしこの居心地の悪さの先にある蜜の味を知ってからは、逆に「居心地が悪さ」が大好物になってしまった。
もし、あなたが、この記事をここまで読んでいただいて、自分はコンフォートゾーンにいるなぁと感じたのであれば、今日からこっそりクレイジー運動をやってみてほしい。
そしてその旨味を知った暁には、その経験にこそ時間も金も投資しまくることだ。多くの人は時間を投資するという発想を持っていない。お金なんてなくても、時間も投資のリソースだ。お金はそれに少しレバレッジを効かせるためにある燃料のようなもの。時間をどんどん投資して、どんどん居心地の悪い経験をして、どんどんコンフォートゾーンを広げていこう。
ULL編集長、マーケティングのノウハウと、エネルギーマネジメントを武器に、組織課題の発見と解決プランの策定、さらには実行する際のチームビルドと人材育成までを支援。
“日本にもっと「イイ顔」している人を増やしたい“という想いのもと、広告会社、エンタテインメント会社での経験を経てマーケティングディレクターとして独立。マーケティング課題の発見と、ソリューションの提案だけでなく、実行できるようメンバーの育成、チームビルディングまで行う。自身の実践的な体験からエネルギーマネジメントという独自の人材育成の理論とコーチングの手法で、人のポテンシャルを最大化し組織の本当の力を引き出す。
一般社団法人グローバルリーダーシップコーチング協会(GLC)の立ち上げで出会った藤井義彦氏と世界で活躍する講演家のジムバグノーラ博士をメンターとして師事、2018年、ジムバグノーラ博士より「PhB・マスター・プラクティショナー」として認定される。
【活動領域】
●マーケティング戦略 ●組織変革・チームビルディング ●パーソナルブランディング ●コーチング ●PhBマスタープラクティショナー ●クレイセラピー(国際クレイセラピー協会認定クレイセラピスト) ●エネルギーマネジメント