社会人になったはずなのに、いつの間にか会社人になっている人の危うさ。
「社会人」になったはずがいつの間にか「会社人」になってしまう人たち。あなたはどっち?
書店に行くと、リーダーシップやコミュニケーション、組織論などのビジネス書や自己啓発の類の本が所狭しと並んでいる。デジタル化が進み、出版不況とも云われている中でも毎月多くの書籍が出版されている。電車の中でも書籍を手にして熱心に読んでいる人も少なくない。
あなたは、こんな経験はないだろうか。
ビジネス書、特に啓発系の本を読み終えてみて、とても共感できたし、気づきもあった、そして何となく自分が成長したように感じてきて、そして心なしか、未来も明るくなった気すらして、何となく心が晴れやかになる。
が、何も変わらない。
そして、また別の本を読み同じような感覚を感じ、何となく成長した気になってしまう。
ビジネス系の啓発本は、ある一定の満足が得られるように書かれているのだ。「なるほど!」と思わせ、「自分にもできるかも!」と期待させ、高揚感を持たせて満足感を得られるように設計されているものが多い。
それが悪いと言っているのではなく、付き合い方を間違えると「本を読む」「満足する」「できる気になる」「行動しない」そしてまた別の「本を読む」・・・というループに陥りかねない。
世の中には結構そういった無駄なループを繰り返す「ビジネス啓発本コレクター」が少なからずいる。
ビジネス書や自己啓発の書籍は何かしら自分の中に「解決したい課題」もしくは「なりたい未来」があるから読むわけだが、熱心に読んでるのにも関わらず、何も変化しない、何も成長しない人も少なくない。
ビジネス書を読むには千円程度だが金銭的コストがかかる、そして、それを読むためにも数時間の時間的なコストもかかっている。コストを投資する以上は、投資対効果を考えて、しっかりとリターンを得なければ、無駄なコストを垂れ流し続けてしまう。
私は、色々な会社の課題解決の考え方やノウハウの提供をするだけでなく、実際にその解決に向けて実行するクライアントの社員の方々の育成やモチベーション管理をしながらゴールに向かうためのお手伝いをしている。
その中で、必要に応じて本を読んでもらうこともあるのだが、同じ本を読んでも、そこから学び成長する人(行動変化する人)と全く成長に繋がらない人(一切行動が変わらない人)がいるということに気が付いた。双方を観察していて、その3つの違いが見えてきた。
まず最初の違いは読み始める前、「目的・目標・解決したい課題の明確化」がしっかりとされた上で読んでいるか、ということ、何のために読んでいるのかということを意識して読むのとそうでないのは雲泥の差だ。成長しない人は、何となく読んでる。もちろん何となく面白そうだなと思って購入し読むこともあるかもしれない、娯楽として読むのであればそれもまた良しだが、どうせ時間を投資するならば、そこから何を得たいのかを明確にするクセをつけておきたい。
次に違うのは読み方、「アウトプットを意識して読む」ことができているかどうか。これは1つ目の目的の明確化がしっかりとできていれば、必然的にアウトプットを意識して読むようになるが、読んでいるときに、その内容を「自分ごと」として捉えていることが大切。成長しない人は自分の意見と同じか否かという「評論家的立場」で読んでいたりする。
自分ごとで捉えることができれば、自分の立場で行動することをイメージしながら読むことができ、自然と行動変化に繋がってくる。
最後の一つは読み終えた時(もしくは読んでいる最中)に「何をするか行動を書き出す」ということだ。何かしらの課題解決を望んで読み出すことが多いわけで、目的が明確化されて、アウトプットを意識した読み方をしていれば、自然とこの3つ目に行き着くはずだ。
そしてこの「書き出す」というのが実は重要で、その真意は最初の一歩のハードルをとことん下げることにある。
人は行動する時や変化をする時にもっともエネルギーを使うのは「最初の一歩を踏み出す時」だ、自転車をこぐ時も、最初のひとこぎが最も力を要するが、動き出してしまえばあとはその流れでスイスイと前に進んで行く。
だから紙に書くということを最初の一歩にして、踏み出してしまえば、あとはそこで学んだ気づきを行動してみるというモードに切り替わる。
読んで満足して終わる読書をもうそろそろ卒業しましょう。時間という貴重な燃料を投資する以上は、しっかりと成果につながる習慣を。
ULL編集長、マーケティングのノウハウと、エネルギーマネジメントを武器に、組織課題の発見と解決プランの策定、さらには実行する際のチームビルドと人材育成までを支援。
“日本にもっと「イイ顔」している人を増やしたい“という想いのもと、広告会社、エンタテインメント会社での経験を経てマーケティングディレクターとして独立。マーケティング課題の発見と、ソリューションの提案だけでなく、実行できるようメンバーの育成、チームビルディングまで行う。自身の実践的な体験からエネルギーマネジメントという独自の人材育成の理論とコーチングの手法で、人のポテンシャルを最大化し組織の本当の力を引き出す。
一般社団法人グローバルリーダーシップコーチング協会(GLC)の立ち上げで出会った藤井義彦氏と世界で活躍する講演家のジムバグノーラ博士をメンターとして師事、2018年、ジムバグノーラ博士より「PhB・マスター・プラクティショナー」として認定される。
【活動領域】
●マーケティング戦略 ●組織変革・チームビルディング ●パーソナルブランディング ●コーチング ●PhBマスタープラクティショナー ●クレイセラピー(国際クレイセラピー協会認定クレイセラピスト) ●エネルギーマネジメント