習慣化が下手な3日坊主の人がやってしまいがちな3つの過ち。意思の力を使わない習慣化のテクニックをご紹介。

習慣化する時にやりがちな3つの過ち。これをやめて、習慣化を仕組み化すればどんなことでも継続できる。

ビジネスを通じていろいろな人と接していて感じるのは、やはり何かしら結果を手にしている人は習慣化するのがとてもうまい。逆に何かいまいち成果が上がらない人は、3日坊主とは言わないが、何をやっても最後までやりきらないことが多い。

私の信じている考え方で「人は何をすればうまくいくかはわかっている。わかっていることを行動できるかどうかが「人生で得ている結果」に違いをもたらせる。」というものがある。これは間違いない。

しかし、多くの人が、頭でわかっていることを行動に起こしたとしても、なかなかそれが定着させられずにやめてしまうことが多いのも事実だ。

習慣化するのが苦手な人、3日坊主で終わってしまう人、最後までやりきれない人、これは意志が弱いからではありません。人には恒常性を保とうとする本能的な働きがあり(ホメオスタシス)、今までと同じようにする性質があるので、何かしら新しい取り組みを始める時には、なかなか定着しにくいものです。

コーチングの際にも、勉強が継続できない、運動が継続できない、ダイエットが継続できないなど「継続」に関する様々な課題を持ってこられる方が出てきます。私自身もなかなか新しいことを習慣化するのは得意でありませんでしたし、すぐにサボろうとする怠け者なので、「意思の力だ!気合いだ!根性だ!」なんていう意味のないことは言いません。

意思の力はどんな人でも弱いし、そもそも行動するのに意思の力はほとんど必要ないので、「私は意思が弱いから何をしても続かない・・・」なんて思うのはやめてくださいね。

継続できない人がやってしまっている3つの間違い
その1「目的が曖昧」

継続できない人がやってしまっている間違いで、まず最初に言えるのは「目的を曖昧にしたままはじめている」です。人は何かしら動機がなければ行動しません。少なくとも何かをやり始めたのだから、必ず目的は持ってはじめていると思います。しかし、それが曖昧なのです。

「本気で取り組みたい、本気で●●になりたい」と言う割には継続できていない人は意外と多いです。その理由の多くはこの目的の明確化ができていないと言うことです。

例えば、ダイエットの目的は「体重を減らすこと(痩せること)」と思いがちですが、「絶対に体重を落とすんだ!(痩せてみせる!)」という目的ははっきり言ってなんの動機にもなりません。以下の3人を比べてみてください。

Aさん「絶対に体重を落としたい!」

Bさん「絶対に体重を落として、あのワンピースを着て出歩きたい!」

Cさん「絶対に体重を落として、あのワンピースを着て出歩きたい、もっとお洒落を楽しんだり、素敵な彼氏を作って、毎日楽しく幸せな気分で過ごしたい!」

さて、誰が一番ダイエットに成功しそうでしょうか?
言うまでもなくCさんですね。とてもゴールイメージが明確でイメージできます。

ここで理解をして欲しいのは、痩せることは「目的にはなり得ない」ということです。痩せるのは何かの手段です。上記の例で言えば、痩せるのは、ワンピースを着るための手段です。そのワンピースを着るのも、お洒落を楽しむための手段です、彼氏を作るのも目的ではなく手段です。幸せな気分で過ごしたいというのが真の目的になります。

このように、どんな未来を目指すのかということをとことん掘りさげて、真の目的が明確に描けている人は案外少ない。ここで出てきたのは手に入れたい未来の姿だが、もう一つ大事なのは、避けたい未来もしっかりと描き切ることです。自分の手に入れたい未来と避けたい未来を明確にすることで、欲しい!と避けたい!という二つの力を使うことです。

【手に入れたい未来】痩せたら、どんな未来が待っているのか。
【避けたい未来】痩せなかったら、どんな未来が待っているのか。

私のコーチングでは、この2つの未来を明確にして、ありありと感じてもらうことで、相手の内発的な動機を徹底的に植えつけて「動きたくて仕方なくなる状態」をつくっていきます。(方法は文章だと説明しずらいのでまた別記事で。)

英語の勉強を習慣化するのに、「話せるようになりたいから」が目的では弱すぎます。ダイエットをするのに「スタイルよくなりたいから」が目的では弱すぎます。禁煙するのに「将来健康でありたいから」が目的では弱すぎます。あなたがなかなか続かないこと、習慣化できなかったとき、どんな目的を描いていたか、思い出してみてください。

目的の明確化を徹底し、内発的な動機をつくっていきましょう。

継続できない人がやってしまっている3つの間違い
その2:目標数値の付け方に無理がある。

継続できない人に多い、もう一つの要因は、「目標数値の付け方だ」。

これについては、社会人になりたての頃の私の失敗をシェアしたい。当時、K-1やPRIDEという格闘技のイベントが盛り上がっており、多分に漏れず私ものめり込んでいた。それらのイベントがある日は何も予定を入れずに、友人と集まったり、自宅でTVにかじりついて夢中になって観ていたものだ。そして、毎回そのイベントが終わるたびに、私は「よし!俺も筋トレしよう!」と決意し、実際に筋トレに勤しむのだが、必ず3日坊主で終わる。続かないことの揶揄としての3日坊主ではなく、この筋トレに至っては、ピタッっと3日で終わるのだ。

なぜ3日なのかというと、3日目には「筋肉痛で続けられない」のだ。そして、そのままなんとなく筋トレ熱が冷めていくという。

せっかく始めたのに、続かない、過去の私の大問題は「目標数値の付け方」だ。格闘技の試合を観終わって最高にテンションが高ぶっている時に数値を設定しているのだ。だから「よし毎日腹筋50回腕立て50回の2セットずつだー!」なんて感じて目標数値を設定してしまう。

目的が曖昧という一つ目のものにも当てはまるが、この数値設定はそれ以上にまずい。テンションが上がっているときに、数値設定をすると継続困難な数値設定をしやすいから気をつけて欲しい。

最初の目標数値について、大事なのはたった一つです。
それは、最初は「継続すること」を目的にした数値設定にするということです。特に最初の21日間くらいは、継続すること自体を目的にした数値設定をすることは習慣化するためには重要です。ですから、格闘技を観てテンションがMAXの時に数値設定しても、無理があって続かないというわけです。最初は、腹筋10回、腕立て10回程度の数値でいいので、筋トレを日常にしていくことを目的にした数値設定にするべきなのです。

どんなことでも「やるぞ!」と決めた時はモチベーションも高いのですが、誰でもモチベーションにムラはありますし、突発的に仕事が忙しくなったりすれば、無理のある数値設定をこなせないことが出てきます。そうなると「まあいっか」となりがちですし、「やっぱり続かなかった」となってしまいます。これだと習慣化は遠のくだけです。

まずは、習慣化することも目的にした数値設定をするということを覚えておいてください。

継続できない人がやってしまっている3つの間違い
その3:いきなりやりはじめてしまう。

よし!やるぞ!と思い即行動に起こすのは良いことでもありますが、しっかり習慣化させていくためには、あまりおすすめしません。習慣化するということは、毎日どこかにその時間をつくるということになります。しかし、私たちは24時間を毎日100%使い切っています。暇な時間があろうが、毎日24時間を確実に消費しています。

新しいことをはじめる場合は、この使い切っている24時間のどこかに「新習慣を割り当てる」必要があります。そのためには、まずどこかに空きを作らなくてはいけません。

例えば「英語学習」という新習慣を取り入れるとして、最初は毎日30分くらい学習時間をつくろうとした場合、どこかで30分を確保必要があります。よくやりがちなのが「空き時間にやろう」というもの。最初の段階でこれはあまりおすすめできません。理由は明確で、空き時間というのはいつどこで生まれるか不確定な要素が多すぎるからです。急に仕事が忙しくなることもあるでしょうし、何か突発的なことで2.3日空いてしまうなんていうことはザラにあります。

習慣化した後に、空いた時間にも入れ込んでいくことは良いと思いますが、習慣化するためには、まずは固定の時間を割り振ることが大切です。

まずは、捨てる時間を探してみましょう。毎日夜TVを2時間観ているとしたら、1時間半にして30分を英語学習に充てる。毎日朝ギリギリまで寝ているのであれば、1時間早く起きて英語学習の時間に充てる。新習慣を取り入れる前に、まず何の時間を「捨てるか」を決めることが習慣化への近道です。多くの人はこれをやっていないことが多く、いつの間にかやらなくなっていることに繋がっています。

この時間に空きをつくるときに更に習慣化を加速させる考え方として「既に習慣化しているものにくっつける」というテクニックがあります。新しいことを取り入れようとした時に、気がつくと忘れてしまうことがあります。それを防止するための考え方です。
毎日TVを観ている時間を少し削って学習時間にする、お風呂上がりに晩酌する前に30分学習する等。既に毎日の習慣になっているものにくっつけてあげると忘れにくくなります。

私もあれだけ3日坊主で終わっていた、「筋トレ」を「歯磨き」にくっつけて習慣化したことがあります。

よし!やるぞ!と気持ちが高ぶるとすぐに行動してしまいがちですが、はやる気持ちを抑えて、まずは時間を空けるために、今ある何を捨てるかを考え、既に習慣化されているものに紐づけてみることことを意識してやってみてください。


なかなか新しいことが定着しない、習慣化できない、私は意思が弱いんだと思う前に、一度これらをしっかりと試してみてください。

●ワクワクして行動せずにはいられないくらいの明確で具体的な未来像(目的)を描く。

●最初の3週間(21日)は習慣化することを目的にした数値設定にする。

●始める前に、どの時間を捨てるかを決めて、既に習慣化したものに紐づけて忘れないようにする。

「人は何をすればうまくいくかはわかっている。わかっていることを行動できるかどうかが”人生で得ている結果”に違いをもたらせる。」

自分の内発的な動機形成と、継続を仕組み化をして、どんどん成果を出していきましょう。

古澤慎之介
古澤慎之介プロデューサー・編集長

ULL編集長、マーケティングのノウハウと、エネルギーマネジメントを武器に、組織課題の発見と解決プランの策定、さらには実行する際のチームビルドと人材育成までを支援。
“日本にもっと「イイ顔」している人を増やしたい“という想いのもと、広告会社、エンタテインメント会社での経験を経てマーケティングディレクターとして独立。マーケティング課題の発見と、ソリューションの提案だけでなく、実行できるようメンバーの育成、チームビルディングまで行う。自身の実践的な体験からエネルギーマネジメントという独自の人材育成の理論とコーチングの手法で、人のポテンシャルを最大化し組織の本当の力を引き出す。

一般社団法人グローバルリーダーシップコーチング協会(GLC)の立ち上げで出会った藤井義彦氏と世界で活躍する講演家のジムバグノーラ博士をメンターとして師事、2018年、ジムバグノーラ博士より「PhB・マスター・プラクティショナー」として認定される。


【活動領域】
●マーケティング戦略 ●組織変革・チームビルディング ●パーソナルブランディング ●コーチング ●PhBマスタープラクティショナー ●クレイセラピー(国際クレイセラピー協会認定クレイセラピスト) ●エネルギーマネジメント