読んでも読んでも変わらない人のための「行動につながる読み方」3つのポイント。
いくらビジネス本を読んでも、何も変わらない人と1冊の本から様々なことを血肉に変える人の違いは何か?
2019_08_29
昨今の私たちを取り巻く環境の変化はめまぐるしいものがある、途轍もないスピードで複雑に変化する社会で、私たちはキャリア形成していかなくてはいけない。私たちがこの先キャリアメイクしていく際に無視できない、いくつかのポイントをピックアップしてみよう。
一つ目のポイントは、技術の進化と海外人材の流入。
技術の進化とともにAIやロボティクスが進んでいくに連れて、誰にでもできる仕事はどんどんなくなっていくのは明白だ、また、海外の人材流入によって、やはり競争は激化してきている。弁護士の仕事でも過去の判例に基づいてできるものはAIが行なっていたり、かつての花形の銀行もAIに人材が淘汰されるようになってきている。
二つ目のポイントは終身雇用の崩壊と兼業。
企業はもはや正社員を大量に抱え込むのは不可能だ。TOYOTAですら、終身雇用は保証できない時代だと言い始めている。このような中で、兼業・副業を許可する企業が増えてきている動きもある。
三つ目のポイントは長寿化。
人生100年時代とも言われる中で、定年が60や65歳となると、その後まだ35年ある、老後の蓄えが2000万円だどうのこうのという話もあったが、単純にお金だけの話ではなく、その後どのような生き方をするのかということは人生を豊かさに影響する。会社生活を終えて、しばらくはのんびりしたとしても、何もせずに、趣味だけで過ごすにしては長すぎる。
定年後、会社を離れて一気に老け込む人も多いが、その後も何かしらの社会活動をしている人はいつまでも若々しく輝いている。引退後にも仕事でもボランティアや地域活動でも、何かしらの社会活動をしていくことは自分らしく生き、自分らしく死ぬためにも重要だと思っている。
AI・ロボティクス・海外人材との競争においては、「代わりがきかない存在」になっていくことが必要である。終身雇用の崩壊で困るのは、やはり「代わりがきく人たち」だ。そして兼業が当たり前になってきたときにも、自分の価値を明確にしてある人でなければ、複数の企業や団体からオファーが来る事はない。
これからますます2極化が進んでいく。今すぐ焦る必要はないが、私たちは「誰でもできるゾーン」「代わりがたくさんいるゾーン」をできるだけ避けてキャリアメイク をしていく必要があるということを意識しておかなければ、いつの間にか時代の波に飲まれてしまうだろう。
代わりのきく存在であることのリスクは十分にわかっていただいたと思うが、同時に「重宝される存在」であるためには、自身の能力、専門性、人間性を高めるだけでは足りておらず、それを「認知されている状態」を作っておくことがパーソナルブランディングだ。
ブランド化されているというのは、簡単にいうと他人が自分のことを「〇〇な価値がある人」と認識している状態のことだ。
あなたは、何か仕事で困った時に誰に相談するだろうか。と問われた時に誰を思い出すだろうか。
今、あなたの頭に浮かんだ人は、仕事の相談に乗ってくれて、何かしらのソリューションを提供してくれる人だとあなた自身が認識している人だろう。その人が意図してブランディングしているかどうかは別として、それこそがその人のブランドの力だ。
もう一つ、休日に一緒にディナーにいったら楽しい時間が過ごせそうだなと思う同性の知人・友人の顔を思い出してみよう。今あなたの頭に浮かんだ人は、あなたが、一緒に緒に過ごしたら楽しいという認識を持っているということだ。
このようにブランドというのは、その人そのものが持っているものではなく、自分以外の誰かの中にあるというのが重要なポイントだ。だから実力があるのに正しくブランド認知されていない人などは、ブラディングしていくことで、正しい評価を勝ち取ることは割と容易い。
間違えないで欲しいのは、ブランディングは、能力のない人に下駄を履かせ、ハリボテで武装させ、能力があるように魅せるためのものではない、そんなものは一瞬で吹き飛んでいく。あなたの人間性を含めた能力や何を解決してくれる人なのかを多くの人が知っている状態をつくることがブランディングであり、能力自体を高めるものではないのでそこは勘違いしないでほしい。ブランディングは自分を高めていくこととの両輪が必要だということを忘れないようにしよう。
まず最初に必要なのは、あなたの今のブランド力を測ることだ。測ると言っても数値化するのは難しいので、まずあなたは誰にどのような時に「選ばれている」だろうかを分析してみるといい。そのための簡単なセルフチェックは、どのようなオファーがあなたにきているかを書き出してみることです。
会社ではあなたにどんなオファーがくるかによって、会社でのあなたがどう認識されるかがわかります。
誰にでもできる仕事のオファーしか来ないのであれば、誰にでもできる仕事しかできないと思われているかもしれません。オファーの際に事細かに指示されるようなら、事細かに伝えないとミスしそうと思われているかもしれない。
あなたが自分の能力はもっと高いと思っていて、仮にそれが事実だとしても、今来ているオファーがあなたのブランド力の全てです。つまり相手に正しく認知されていない可能性があるということです。
会社からだけでなく、異性や友人からどんなオファーが来るかによってあなたが異性や友人からどんな認識されているかがわかります。また、社会から何かオファーが来るかどうかというものも確認しておくと良いかもしれない。商工会議所から講演のオファーがあるとか、茶道の会からゲストで呼ばれるなど、会社街の活動の中でのオファーもチェックする。無ければそれで良いのだが、無いという状態は、社会にあなた自身のブランド認知が一切されていないという事になる。だが、まずは現時点の自分の今のブランドはどう認知されているのかをよく知ることが大切だ。
ある程度現状がわかったら、次は自分がどのようなブランドポジショニングを取っていきたいのか、理想を明確にしていく。先ほどは今来ているオファーを書き出したが、今度は、こういうオファーが欲しいというものを書き出していく。「広告デザインのオファーが欲しい」でもいいし「企画から考える仕事が欲しい」でもいいし「海外からのオファーが欲しいでもいい」出来るだけ、たくさん具体的に書き出そう。
これら書き出すときに「キャリア・仕事」「人間関係」「社会活動」の3つに分類しておくとあとで整理がしやすい。
次に、書き出した「あなたが欲しいと思っているオファー」が来る人とはどういう状態の人かを紐解いていく。もちろん能力的な側面もあるだろうし、特定の人脈も必要だったりするかもしれない。今それらがあるか無いかは関係ない。とにかくどういう要素が必要か、どういうリソースが必要なのかを徹底的に洗い出す。
そして、そのオファーが来る人は相手にどのように思われているかとうことも考えつつ、「誰にどのように思われたいか」も書き出して行きます。
これらを全て兼ね備えていて、なおかつ、それを必要な人に認知してもらっていることが、あなたの理想の姿ということになる。要はブランディングの方向性が決まったという段階だ。
あなたには、なりたい自分像があり、それになるという意思があるから、ここまで読み進めたと思う。素晴らしいことであり、その意思の力は何にも変えがたい根底のエネルギーになるのは間違いない。
ということで最後のステップは、サブタイトル通り「なってしまう」のだ。
「まだまだ能力も足りてない、リソースも全然持ってない!なのになれるわけない!」と思ったかもしれません。そうです、能力もリソースも足りないのに、なってしまうのです。これは多少荒っぽいのだが、準備ばかりをして、結局行動せずに、なんの成果も得られないまま「いつかは僕も」と言っているだけの人を私は何度も見てきました。あなたはどうでしたか?
あなたがもし今手にしている結果に満足していないのだとしたら、それはもしかすると、あなた自身が本当に欲しい結果を手に入れていいと思えていないからかもしれません。だから、まず最初に全てを手に入れた自分になってしまうのです。そうすると、徐々にあなたの内側が変化し、結果を手に入れる準備が整っていきます。そして、能力や人間力を高めつつ、その器の準備が整った時に、自然と結果がやってきます。
「なっちまう!」にはコツがあります。今できることを、全てを手にしている自分としてやるのです。足りない能力が明確になっているなら、それは身につければいいわけですし、足りないリソースも明確になったのであれば、それを手に入れるためには何をすればいいか考えれば少しずつかもしれませんが、道具は揃っていきます。
しかし、それらの道具を持つのにふさわしい自分になっているかどうかが大事です。例えば「健康で若々しい肌」だと思われたいのにタバコを吸っていたり、お菓子を食べ過ぎたり。「海外で仕事をしたい」のに外国人の前では途端に黙ってしまったり。「たくさんの人に慕われたい人」が、飲食店の店員さんに横柄な態度をとったり。
そして私のいう「やる」の中にはいつも「やめる」も含まれています。全ての理想を手にしている5年後のあなたがいるとして、その理想の自分がやっていない習慣を成果を手にしていない今のあなたはしていませんか?それをやめることです。
未来のありたい姿と今のあなた自身のあり方の矛盾・ギャップを解消していくことをしていきます。道具ではなく、あなた自身のあり方です。これはやった人にしかわかりませんが、この「なってみる」ステップは強力です。今のあなたの引力ではなく、理想の自分の引力を使って必要な出来事や人を引きつけ始めます。
これらの3つのステップがパーソナルブランディングをしていく際の「スタート地点」とも言える自分づくりです。なりたいものになれるのは、なろうとした人だけです。なりたい自分がいないのではなく、なっていいと思えていない人もたくさんいます。
もちろん、特になりたい自分もいないし、今の延長線上でのんびりやっていきたい人もいるでしょう。それも一つの素晴らしい幸せの形です。ただし、このままの人生はいやだ、なりたい自分になりたいと思う人は、まず一歩を踏み出すことです。
パーソナルブランディングのやり方はまた別の機会に記事にしていきますが、それはあくまで手法です。やれば誰でもできる話です。しかし、まずはあなたの意思とあなたの器の準備が大切です。
ULL編集長、マーケティングのノウハウと、エネルギーマネジメントを武器に、組織課題の発見と解決プランの策定、さらには実行する際のチームビルドと人材育成までを支援。
“日本にもっと「イイ顔」している人を増やしたい“という想いのもと、広告会社、エンタテインメント会社での経験を経てマーケティングディレクターとして独立。マーケティング課題の発見と、ソリューションの提案だけでなく、実行できるようメンバーの育成、チームビルディングまで行う。自身の実践的な体験からエネルギーマネジメントという独自の人材育成の理論とコーチングの手法で、人のポテンシャルを最大化し組織の本当の力を引き出す。
一般社団法人グローバルリーダーシップコーチング協会(GLC)の立ち上げで出会った藤井義彦氏と世界で活躍する講演家のジムバグノーラ博士をメンターとして師事、2018年、ジムバグノーラ博士より「PhB・マスター・プラクティショナー」として認定される。
【活動領域】
●マーケティング戦略 ●組織変革・チームビルディング ●パーソナルブランディング ●コーチング ●PhBマスタープラクティショナー ●クレイセラピー(国際クレイセラピー協会認定クレイセラピスト) ●エネルギーマネジメント